卓上彼氏



駅の階段を降りていくとすぐの場所に自転車が一台停めてあった。






「俺ンチまでこっからチャリだから、後ろ乗って」





私の承諾を待つことなく、藤堂くんは自転車にまたがった。





「後ろって—————……二人乗り?!?!」







「ははっ、二人乗り以外何があんだよ」





藤堂くんはおかしそうに笑った。




よくもまぁそんなにあっさりと……!






私だってあまり男子だとか女子だとかスキンシップだとかを気にしないタイプだけど、二人乗りはいきなりハードル高すぎるっていうか……






「ほら!ボケっとしてないで早く乗れって」




「はぁ?!誰がボケっとなんて……!!」







私は藤堂くんに流されるままに自転車の荷台に乗った。

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