記憶のキロク
数年後
 月日は、怒涛の勢いで流れた。






 俺は、死に物狂いで勉強し、やっと一人前の救急救命士と認められることができた。

 その日の出動は、台風が近づいていて、風が荒れ、雨を激しく追い立てていた。

 救助者は、6歳の女の子だった。

 一人で風呂に入っている時に、溺れたらしい。

 その子を病院に搬送し、命を繋ぎ止めることが、今回の仕事だった。
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