記憶のキロク
 ここまで、思いつめるくらいなら、

 死んで全てを終わりにした方が楽かもしれないな。

 いや、絶対に楽だろうな……死ねば何も考えなくて済むんだから。


 気づくと、カミソリを握り締めていた。

 カミソリの刃を手首と十文字になるように、当てる。
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