記憶のキロク
春風

 そこまで思い起こしていると、さっきの少女が看護士と一緒に戻ってきた。

 ナースコールを押せばいいものを

 わざわざ呼びに行ったらしい。

 看護士は、流水のような無駄が無い動作で、

 血圧を測ったり、体温を測ったりともろもろの作業をこなしながら、

 俺に話し掛けてきた。
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