記憶のキロク
 そうこうする内に、作業が終わったらしく、

 俺の向かいにいるじいさんに話し掛けてから病室を出て行った。


「ねぇお兄ちゃんは、何ていうの?」

「ん?」

 少女にいきなり話し掛けられ、
 
 びっくりして返答に一瞬詰まっていると少女は、

 自分から名前を言った。

「わたしは、春風(はるか)。お兄ちゃんは?」
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