記憶のキロク
 清潔感のあった白い壁紙は、どす黒い液体が飛び散っていて、床には、生暖かいぬるぬるする液体が満ちていた。

 目眩がした。

 吐き気がした。

 いや、すでに吐いていた。

 それを見た瞬間に理性は壊れていた。

 人間の四肢が、床の上に散らばっていた。
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