記憶のキロク
「ん?」何かが聞こえた。

 不明瞭な人の言葉のような音が聞こえた気がした。

 が、ここには、そんな声(おと)を出す人は居ないはずである。

 まあ、今日ここに着たばかりで何とも言えないが、居ないと思う。

 なんとなく、隣のベッドで寝ている春風ちゃんが気になりそっと、カーテンを開け、中を覗き込むと春風ちゃんの首が無かった。
< 35 / 105 >

この作品をシェア

pagetop