記憶のキロク
 春風ちゃんのそれは、文脈も主語もなく、何を言いたいか分からなかったが、

 何を伝えたいかを感じ取ってしまった。

 それは、今もまた泣き出しそうな顔をした春風ちゃんを見たかもしれない。

 剥き出しの春風ちゃんの心を覗いてしまったからかもしれない。

 おそらく、そのどれでもなくて、全てが正解なんだと思う。
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