記憶のキロク
「辛かったら、泣いてもいいんだよ。それに、俺は春風ちゃんのことを忘れたりしないよ? 約束する」

 そう言いながら、今もなお震えている春風ちゃんの手を優しく握り、ただ、黙って俺の胸の中で、春風ちゃんが泣きつかれて眠るまで見守った。
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