記憶のキロク
 俺は、照れ隠しに、散歩をしないかと誘った。

 すると、春風ちゃんは目を大きく見開き、手を口元に当てて、驚いたような仕草をした後、

「うん」

 と元気よく、俺の提案を承諾してくれた。それは、誘ってよかったと思えるくらい嬉しそうな表情だった。
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