記憶のキロク
三日目
「……朝だよ。起きる時間だよ。お兄ちゃん」

「んっ……おはよう春風ちゃん」

「おはようお兄ちゃん」

 春風ちゃんと笑顔で挨拶を交わして、さっき見た夢の残滓が吹き払われていく。

 悪夢は、朝日を浴びて灰塵になったかのように、俺の心から消え去り、俺は今まで通りの朝の風景を実感できた。
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