星王子の幸せレッスン
亮二への想いは、もうなかった。



それよりも自分が結婚できなかったことの方がショックだった。
 


「私は選ばれなかった」



ベッドの上で、天井を見ながらそうつぶやくと、涙がこめかみを伝っていった



これからどうしようか?
 


新しい仕事も、新しい恋人を探す気力もない。



誰もいない場所に行きたい。



自然に囲まれた場所で、川のせせらぎを聞きながら、頭の中をからっぽにしたい。



深い考えはなく、たまたま思い浮かんだのは「白神山地」だった。
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