星王子の幸せレッスン
足の痛みがズキンズキンと脈打つ。



私は大きな岩に座りこみ、うずくまった。



このまま夜になってしまったら…。不気味な不安が頭をよぎる。



灯りがない暗闇の森で、一夜を過ごすことになる。懐中電灯もないし、携帯電話も充電が切れそうだ。



「ホー…ホー…」



フクロウの鳴き声がどこからか聞こえてくる。夜がゆっくりと近づいてくる。


私は焦りと不安の中、ひたすら歩いた。今歩いている方向が正しいのか全く見当違いの方向なのか、全然わからなかった。



しばらく歩くと、遠くの茂みにぼんやりと光りがみえた。やわらかい白い光りがゆらゆらとブナの木々を照らしている。



私は、救助が来た!と思い、足の痛みを忘れて白い光りの中へ駆け寄った。



助かった!助かった!



夢中で茂みの中に入ると、そこには確かに人がいた。しかし、自分の目を疑った。



そこには、王子さまがいた。

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