星王子の幸せレッスン
「確信・・・?」


私はほとんど泣き出しそうになってしまった。あれがほしい、こうなりたいと願うことならできるけれど、絶対に実現するなんて心の底から確信なんてできるはずがない。


心のどこかで、疑う自分が必ずいるのだから。


王子さまの言っていることは、簡単なようでとても難しい。


「たしかに、すぐに実践できたら苦労ないからね。レッスンが必要だね」


王子さまはウィンクして言った。


「レッスン?」


「そう。願いの実現を心から信じるレッスン。まぁ、練習だね。練習するとコツがわかるようになる」


「どうやるの?」


「イメージトレーニングだよ。願いが叶った自分を想像するんだ」


私は目を閉じた。運命の人と出会った自分を想像しようとしたけれど、全然イメージがわいてこない。


「王子さま、だめ。イメージできない」


私はサジをなげた。こんな森の中で、運命の人と出会える自分なんて想像できるはずもない。
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