星王子の幸せレッスン
「さぁ、安心したところでレッスンに戻るよ」


王子さまは両手でパンと手を叩いた。


見た目は幼くても、仕草や言葉使いは先生のようだ。


「でも、王子さま。運命の相手との出会いを想像するなんて、難しいよ」


「そうだな。それじゃあまず、具体的なイメージを固めるところからはじめようか。運命の相手の容姿から。身長はどの位か。どんな髪型か。一重か二重か。色黒か色白か。好みの服装は、とかね」


「そ、そんなところまで?」


私はたじろいだ。


「でも、そんなに具体的に想像しても、その通りの人なんているわけがないと思うんだけど」


「想像する前から諦めてちゃだめなんだよ。心は正直に実現するんだ。いないと思ったらいないし、いると思ったら本当に現れる。それが宇宙の法則なんだから」


また、宇宙の法則が出た。そんな魔法みたいな法則が本当にあるのだろうか。私は半信半疑ながらも、とりあえず運命の相手の容姿を思い浮かべてみた。
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