星王子の幸せレッスン
「年齢は私より年上で、30~35歳位。長男じゃなくて、マザコンでもない人。でも自分の家族は大切にしてほしいな。寡黙で優しくて、私を一番に大事にしてくれる…」


ここまで言って、私はため息をついてしまった。


「どうしたの?」


「私、今確信した。こんなんだから、運命の人に会えないんだ。相手像が自分勝手すぎる」


「自分勝手?」


「もし、仮にそういう人が実在して、目の前に現れても、その人が私を好きになるなんてあり得ない、私はそんな完璧な人にふさわしくない。どうせ私なんか、なんの取り柄もないし、大して美人というわけでもないし」


二人の間に沈黙が流れた。


「"どうせ私なんか”は一番の禁句だよ」


王子さまは言った。温度のない、冷ややかな言葉だった。


「自分で自分を貶めることは、一番幸せから遠ざかるんだ。心から信じたことは実現するというのは、反対にマイナスのことを信じれば、それも実現してしまうということなんだ。ユキが”どうせ私なんか”と思っているうちは、いつまでも”何をやってもだめで不幸になる”ということだよ」


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