星王子の幸せレッスン
インターホンを鳴らすと、しばらくして亮二がドアを開けた。



「どうしたのユキ、こんな夜中に」



驚いた顔で私を見る。



「会いたくなって。だめ?」
 


亮二のスエットの裾を握り、彼の目をみつめる。亮二は困った表情をみせる。



「明日、仕事早いからな…」



私はむっとして、声を荒げた。



「もしかして帰れっていうの?わざわざタクシーでここまで来たのに?」



「おい、静かにしろよ。近所迷惑だろ。」



「だって…」



私は俯く。せっかく会いにきたのに、その言い方はないんじゃない?
 
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