砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
二の二
――御所にて
龍星は長ったらしい会議の中にいて、内心うんざりしていた。
背筋を真直ぐ伸ばし、時折余裕の笑みすら浮かべながら有益な意見を口にし、それなりに参加しているふりはしていたけれども。
長い長い時間の後、御簾の向こうで、会議に参加していた帝がぱちりと扇子を鳴らして全ての会議に終わりを告げた。
これ幸いと立ち上がろうとする龍星を、帝が呼び止める。
龍星は躊躇うことなく不機嫌な目つきで帝を見る。
くすり、と、帝が笑いを漏らした。
悪戯を考えている子供のような笑い声だ。
「龍星、今日ばかりは私に呼び止められたこと、感謝すると思うぞ」
人払いをした後、帝は口を開く。
「先ほど、千から手紙が届いた。
昼間にさえ手紙をくれるとは、愛しい女だと思わぬか?」
御台……つまり正妻……の自慢を始めた帝に、龍星は閉口する。
いつまでも独り身である龍星への嫌がらせだろうか。
龍星は長ったらしい会議の中にいて、内心うんざりしていた。
背筋を真直ぐ伸ばし、時折余裕の笑みすら浮かべながら有益な意見を口にし、それなりに参加しているふりはしていたけれども。
長い長い時間の後、御簾の向こうで、会議に参加していた帝がぱちりと扇子を鳴らして全ての会議に終わりを告げた。
これ幸いと立ち上がろうとする龍星を、帝が呼び止める。
龍星は躊躇うことなく不機嫌な目つきで帝を見る。
くすり、と、帝が笑いを漏らした。
悪戯を考えている子供のような笑い声だ。
「龍星、今日ばかりは私に呼び止められたこと、感謝すると思うぞ」
人払いをした後、帝は口を開く。
「先ほど、千から手紙が届いた。
昼間にさえ手紙をくれるとは、愛しい女だと思わぬか?」
御台……つまり正妻……の自慢を始めた帝に、龍星は閉口する。
いつまでも独り身である龍星への嫌がらせだろうか。