砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
「名づけてあげるよ。
 緑丸(みどりまる)ってどう?
 さっき、そこで君を見つけたとき、緑の妖精だと思ったんだ。
 本当にそうかもしれないし?」

 常若の探るような目線が冗談かどうか見抜けなくて、緑丸は苦笑した。

「ありがとう。
 なんかしっくりくるね、僕に丁度いい感じがするよ」

 緑丸は、そのまま常若の家に居候することになった。



「僕、突然増えて邪魔じゃないですか?」

 夕食を食べながら緑は周りの大人たちに伺った。

「とんでもない。
 東宮様があんなに楽しそうにしてらっしゃるんですもの。
 いつまでも居ていただきたいくらいよ」

 一人の女房の言葉に、お付の者たちが頷いている。

 これだけの大人に囲まれて、子供一人なんて楽しく出来なくて当たり前だよ。

 そう思ったけれど、口には到底出せなかった。


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