砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
誰からもすべからく崇められる存在。
それが京の都における帝の存在である。
が、その帝を全く崇めない輩も居た。
その一人が安倍龍星である。
異質な眼差しは大勢の中で目立ち、最初は帝を苛立たせていた。
そのうち、興味を持てる対象となり、今となってはどうにかして平伏させたい相手となった。
今、まさにそれが叶おうとしている。
帝は身についている上から目線で口を開いた。
「あの子に逢ったのは、東宮だった時分。
まだ感情を持て余していた頃。
気晴らしに行った嵐山の別荘から抜け出し、草の上に寝そべって広い空を眺めていたんだ。
いつになったらあっちに行って自由になれるんだろうって。
そしたら、ばさって音がしてね。
空から降ってきたんだ、神の遣いが」
それが京の都における帝の存在である。
が、その帝を全く崇めない輩も居た。
その一人が安倍龍星である。
異質な眼差しは大勢の中で目立ち、最初は帝を苛立たせていた。
そのうち、興味を持てる対象となり、今となってはどうにかして平伏させたい相手となった。
今、まさにそれが叶おうとしている。
帝は身についている上から目線で口を開いた。
「あの子に逢ったのは、東宮だった時分。
まだ感情を持て余していた頃。
気晴らしに行った嵐山の別荘から抜け出し、草の上に寝そべって広い空を眺めていたんだ。
いつになったらあっちに行って自由になれるんだろうって。
そしたら、ばさって音がしてね。
空から降ってきたんだ、神の遣いが」