砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
龍星が扉を開けると、取り乱したあの女があいも変わらず号泣していた。
着物は血に染まり、半狂乱で。
「また、出たんですっ。私を刃物で刺そうとして、かばってくれた主人が刺されてしまって……」
龍星は小さく呪を唱え、雅之の元に遣いを送る。
刃物を使う霊などまずいない。
女の狂言でなければ、犯人は十中八九人間だ。
「ご主人は今?」
「分かりません、私、無我夢中で」
「暫くすれば助っ人が来るので、一緒に行きましょう」
「先生。伝言は私が承りますので、どうぞお先に」
澄んだ声に驚いて振り返る。
毬が男の子と見間違う姿でそこに居た。
「彼は?」
突然現れた美少年に、女がつい口を挟む。
「はじめまして。私、先生の元で見習いをしているものです」
男装が見破られなかったことに気を良くした毬は、低めの声で挨拶した。
龍星は諦めて、行き先を説明すると、女と共に先に出た。
着物は血に染まり、半狂乱で。
「また、出たんですっ。私を刃物で刺そうとして、かばってくれた主人が刺されてしまって……」
龍星は小さく呪を唱え、雅之の元に遣いを送る。
刃物を使う霊などまずいない。
女の狂言でなければ、犯人は十中八九人間だ。
「ご主人は今?」
「分かりません、私、無我夢中で」
「暫くすれば助っ人が来るので、一緒に行きましょう」
「先生。伝言は私が承りますので、どうぞお先に」
澄んだ声に驚いて振り返る。
毬が男の子と見間違う姿でそこに居た。
「彼は?」
突然現れた美少年に、女がつい口を挟む。
「はじめまして。私、先生の元で見習いをしているものです」
男装が見破られなかったことに気を良くした毬は、低めの声で挨拶した。
龍星は諦めて、行き先を説明すると、女と共に先に出た。