砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
「どうして?」

「俺が現場に行くことと、こんな格好してること」

「止(や)めたいの?」

「止められないからここにいるんだろ。龍の役に立ちたいんだ」

 毬が苛立ちを隠せぬ声を上げる。
 恋愛というのは、つまらぬ意地の張り合いなのだなと思い、それは同時に切ないくらい可愛らしくもあり、雅之はくすりと笑う。

「怒らせておけば良い」

「嫌。寝る場所なくなるのは困る」

「いつでもうちに来れば良い。毬は友達だからな」

「雅之、ありがとう」

 毬はようやく雅之の腕の中で笑い、知っている範囲で事件の概要を伝えはじめた。


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