砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
「あなたの息子さん、ですよね」

 少年の声で、毬が問う。

「し、知りませんっ」

 律は感情的な金切り声をあげた。

「真竜、もういいよ」

 太一の声がして、毬は弾かれたように顔をあげた。
 龍星は深紅の唇を噛みしめ、懐に手を入れ数珠を掴んだ。

「太一、戻ってきたのか?」

 毬が驚いて立ち上がり近付こうとする。

「駄目だ」

 龍星が真顔で毬の手を掴む。


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