砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
 彼は凄腕の陰陽師なのだ。あのときに、霊を滅したことに、間違いない。

 一度滅した霊が再来するなんて、死んだ人間が生き返るのと同じくらいありえない。


 あり得るとしたら、それは……

「太一、太一がいるの?」

 毬と龍星のやりとりを不思議そうに見ていた律が、見えない姿を探して空(くう)を掴む。


「やっぱりあなたの息子じゃないか」


 律の様子を見て、毬が小さく呟いた。

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