砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
「なぁ、先生……」

 同意を得ようと、龍星を仰ぎ見た毬は、龍星の表情が緊張感で強張っていることにようやく気付いた。

「龍?」

 驚いた毬の口調が普段のものに変わる。

「真竜、外の様子を見ておいで」

 龍星は有無を言わせぬ強い口調でそう言った。

……今、真竜って、呼んだ?


「急いで」

 疑問を口にする前に、冷たい視線と鋭い声に急かされた。

 毬は黙って、駆け出した。

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