砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
「へえ、そんなに大切なんだ?」
太一が龍星を見てにやりと笑う。
龍星はすうと目を細め、深紅の唇で妖艶に微笑んだ。
「大抵のものは大切にする方針ですよ。全てのものを粗雑に扱うあなたとは違います」
氷のように冷たく鋭い声で龍星が答える。
「全てのものに、無関心なんだと思ってたよ。勘違いかあ。
陰陽師と言っても所詮、ただの人間なんだね」
クスクスと、太一が笑う。狐のような細い目で。
「太一っ、太一なの?」
律が縋るように壁の一点を見た。
にやりと、いやらしい笑いを浮かべ、霊のはずの太一がその姿を曝す。
「そうだよ、かあさん。かあさんがあの男を殺してくれたから、生き返れたんだ」
律の目には甦った息子に見えるのだろう。
涙を流してそいつを抱き締めている。
が、龍星の目には、それは人間を弄んで楽しんでいる妖狐(ようこ)にしか見えなかった。
太一が龍星を見てにやりと笑う。
龍星はすうと目を細め、深紅の唇で妖艶に微笑んだ。
「大抵のものは大切にする方針ですよ。全てのものを粗雑に扱うあなたとは違います」
氷のように冷たく鋭い声で龍星が答える。
「全てのものに、無関心なんだと思ってたよ。勘違いかあ。
陰陽師と言っても所詮、ただの人間なんだね」
クスクスと、太一が笑う。狐のような細い目で。
「太一っ、太一なの?」
律が縋るように壁の一点を見た。
にやりと、いやらしい笑いを浮かべ、霊のはずの太一がその姿を曝す。
「そうだよ、かあさん。かあさんがあの男を殺してくれたから、生き返れたんだ」
律の目には甦った息子に見えるのだろう。
涙を流してそいつを抱き締めている。
が、龍星の目には、それは人間を弄んで楽しんでいる妖狐(ようこ)にしか見えなかった。