砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
馬舎を抜け出した毬は一人、東河まで歩いてきた。
すれ違う人たちの目が痛い。
普通の姫はこんな良い着物を来て独りで出歩いたりはしないので、いたしかたないとも思う。
西の空はゆっくり橙色に染まっていた。
……どうしたら良いのかしら。
毬は胸の奥の痛みに堪え切れず瞳を閉じる。
男の子になりきれず
姫にもなりきれず
何か芸を身に付けているわけでもなく
ただ、他人を振り回してばかりの日々。
すれ違う人たちの目が痛い。
普通の姫はこんな良い着物を来て独りで出歩いたりはしないので、いたしかたないとも思う。
西の空はゆっくり橙色に染まっていた。
……どうしたら良いのかしら。
毬は胸の奥の痛みに堪え切れず瞳を閉じる。
男の子になりきれず
姫にもなりきれず
何か芸を身に付けているわけでもなく
ただ、他人を振り回してばかりの日々。