砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
「さすが華だ。このお姫様に食事をさせるなんて。
 助かるよ」

 無表情のままではあるが、さらりと華を誉める。
 華は頬をうっすら朱に染めた。

「西瓜を冷やしておいてくれ」

 龍星は手にしていた子供の頭ほどもある大きな西瓜を華に渡した。

「凄い、それ、どうしたの?」

 少しは元気が出た毬が興奮して口を開く。

「毬が早く元気になると良いと思ってね」

 龍星が目を細めて毬を見た。
 いつも家にいる時とは違う見馴れぬ余所行きの衣に、余計に毬の鼓動が高鳴る。

「少し外出出来ると良いのだが」

 龍星が毬の傍に寄り頭を撫でながら問う。

「大丈夫っ」

 何時もよりは弱々しい声だが、毬は健気に笑ってみせた。
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