砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
 毬はゆっくり起きて奨められる着物に着替えた。

 どうやらもう、月の穢れは終わったようだと確認できホッとする。

 10日前、突然始まった初潮は毬にちょっとした混乱と体調不良をもたらしていた。




『龍、どうしようっ!』

 突然の出血に、知識もなければ経験もない毬は起き抜けに異変に気付き、血で汚れた寝着を見て眉を寄せた。

 彼女の身体が大人を迎える日を、欲望を抑えて待ち望んでいた龍星は内心喜んだが、それはおくびにも出さず、優しい兄のように教えてやった。



 慣れない生理痛に、夏バテが相まって、それ以降今日まで毬は寝込んでいたのだ。
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