砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
三の三
念には念を、と言いたいのか。
その日、わざわざ帝の勅使が龍星宅まで牛車で出迎えにきてくれた。
龍星はやれやれと、車に乗り込もうとした。
その時。
「安倍様、本日は同行させていただきます」
凛とした、少年の声が響いた。
――童部(わらべ)
それは、陰陽師に使える少年の総称だ。
一般の人に姿が見えるものも居れば見えないものも居る。
陰陽師が術を行う手伝いをする、人とも式ともつかない存在だ。
毬は今、まるで少年の姿で、つまりは童部を気取ってそこに立っていたのだ。
その日、わざわざ帝の勅使が龍星宅まで牛車で出迎えにきてくれた。
龍星はやれやれと、車に乗り込もうとした。
その時。
「安倍様、本日は同行させていただきます」
凛とした、少年の声が響いた。
――童部(わらべ)
それは、陰陽師に使える少年の総称だ。
一般の人に姿が見えるものも居れば見えないものも居る。
陰陽師が術を行う手伝いをする、人とも式ともつかない存在だ。
毬は今、まるで少年の姿で、つまりは童部を気取ってそこに立っていたのだ。