砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
それなのに。
今しがた、目が覚めたら、居てもたってもいられなくなった。
心に浮かぶのは根拠の無い不安ばかり。
帝の瞳を思い出せば、やはり自分を狙っているような気がする。
そもそも、今もって彼に正妻しか居ないことはおかしいようにも思う。
側室にしてやろうというのは、冗談ではなかったのかもしれない。
――だとしたら。
この機会を逃すまいと、遠慮なく手を出してくるかもしれない。
そう考えると何もかもが不安に思えてきて。
そうしたらもう、頭の中には龍星のことしか浮かばなくなっていた。
誰もが振り向く美貌を兼ね備えた、冷静沈着な陰陽師。
どれほど忙しくても、毎日家に帰っては様子を伺ってくれる優しい人。
慈しむような唇付けを幾度も重ねてくれるけれど、決してそれ以上は手を出さない。
そんな関係が、このところずっと続いていた。
これからもずっと続けばいいって思っていたのに。
どうしてか、今のままでは、彼が永遠に手に入らないような気がして。
もしかしたら、彼を手に入れる前に自分が誰かにさらわれてしまうかもしれない。
どちらにしても。
毬は、手を伸ばして声に出して、確かめずにはいれらなくなってしまったのだ。
自分の気持ちと、龍星の気持ちを。
そして、二人の将来を――
今しがた、目が覚めたら、居てもたってもいられなくなった。
心に浮かぶのは根拠の無い不安ばかり。
帝の瞳を思い出せば、やはり自分を狙っているような気がする。
そもそも、今もって彼に正妻しか居ないことはおかしいようにも思う。
側室にしてやろうというのは、冗談ではなかったのかもしれない。
――だとしたら。
この機会を逃すまいと、遠慮なく手を出してくるかもしれない。
そう考えると何もかもが不安に思えてきて。
そうしたらもう、頭の中には龍星のことしか浮かばなくなっていた。
誰もが振り向く美貌を兼ね備えた、冷静沈着な陰陽師。
どれほど忙しくても、毎日家に帰っては様子を伺ってくれる優しい人。
慈しむような唇付けを幾度も重ねてくれるけれど、決してそれ以上は手を出さない。
そんな関係が、このところずっと続いていた。
これからもずっと続けばいいって思っていたのに。
どうしてか、今のままでは、彼が永遠に手に入らないような気がして。
もしかしたら、彼を手に入れる前に自分が誰かにさらわれてしまうかもしれない。
どちらにしても。
毬は、手を伸ばして声に出して、確かめずにはいれらなくなってしまったのだ。
自分の気持ちと、龍星の気持ちを。
そして、二人の将来を――