砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
「左大臣家への呪詛の件。
 ご懐妊が引き起こした入内依頼の件。
 そして、毬、憑依の件――か」

 雅之が、懸案事項を簡潔に並べる。

 口に出したものの、何をどうしたら解決に導けるのか、雅之にはさっぱりわからない。

「何、晴れぬ霧はないさ」

 黙り込んでしまった雅之に、龍星はきっぱりとそう言い切った。

「――むむ」

 龍星がそういうから、きっとそうに違いないが、雅之にはその言葉に素直に頷ける気もせず、黙り込む。


「俺は、その――。
 何か役に立てるだろうか」

「もちろんだ。
 今日も左大臣邸まで足を運んでくれたではないか」

「あれは、ただ、足を運んだだけで――。
 俺は、何かの役に立てていたのか?」

 正直、ただ、黙って二人の話を聞いていただけだったように思うのだが――。

「もちろん」

 龍星は雅之の不安をかきけすように、力強く頷く。
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