砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
道剣の顔色はみるみるうちに土色になっていく。
虚ろな瞳は、龍星でなくどこか遠くを見ているようだ。
龍星はそんな道剣に対し、想い人の肌にでも触れるかのような優しい仕草で手を伸ばし、びくんと怯える道剣の汗を一滴その指にとり懐から取り出した人型へと浸した。
相手の体液でも髪の毛でも、なんでも一つその人型へと挟めば、それは呪いのわら人形のようなものに姿を変える。
龍星が今、その紙人形を引き裂けば、道剣の身体もまっぷたつに引き裂かれ、血飛沫が薄汚れた牢に飛び散るのだ。
そこでようやく我に返った道剣は、ぎくり、と、もうろくに動かない顔を引きつらせた。
龍星は人の命一つ握ったというのに、さして興味もない顔で、飄々とその紙人形を懐へと戻す。
「どういう風に死にたいですか?」
龍星の問いは、ご飯は何が食べたいかと問うような気軽さだった。
あまりにも気軽なので、うっかり「即死で」と答えたくなる口を、道剣は必死に押さえ込む。
もう、どう考えても勝ち目はなかった。
これ以上あの瞳を見ていたら、そして、大蛇に睨まれ続けていたら、肉体より先に精神が病んでしまう。
虚ろな瞳は、龍星でなくどこか遠くを見ているようだ。
龍星はそんな道剣に対し、想い人の肌にでも触れるかのような優しい仕草で手を伸ばし、びくんと怯える道剣の汗を一滴その指にとり懐から取り出した人型へと浸した。
相手の体液でも髪の毛でも、なんでも一つその人型へと挟めば、それは呪いのわら人形のようなものに姿を変える。
龍星が今、その紙人形を引き裂けば、道剣の身体もまっぷたつに引き裂かれ、血飛沫が薄汚れた牢に飛び散るのだ。
そこでようやく我に返った道剣は、ぎくり、と、もうろくに動かない顔を引きつらせた。
龍星は人の命一つ握ったというのに、さして興味もない顔で、飄々とその紙人形を懐へと戻す。
「どういう風に死にたいですか?」
龍星の問いは、ご飯は何が食べたいかと問うような気軽さだった。
あまりにも気軽なので、うっかり「即死で」と答えたくなる口を、道剣は必死に押さえ込む。
もう、どう考えても勝ち目はなかった。
これ以上あの瞳を見ていたら、そして、大蛇に睨まれ続けていたら、肉体より先に精神が病んでしまう。