砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
ふっと、龍星が口元を緩ませた。
途端に何かが霧散したかのように、空気が和らぐ。
「そこまでの覚悟があるなら、もう少し待ってくれる?
頼むから俺を苛めないで」
すうと、龍星が手を伸ばす。毬は慣れた黒猫の如く自然とその傍に寄った。細い指が頬を撫でる。毬は甘えたように頬をその胸にすりつける。頭を龍星は愛しそうに撫でた。
どうやら喧嘩は終了したようだ。
雅之は視線をどこに持っていって良いか決めかねて、酒をあおぐ。
毬も、ふわりと笑うと席に戻り中断していた食事を再開した。
「雅之、見て!」
食事終了後、思い出したように毬は懐から風鐸を取り出した。
カランカランとそれは涼やかな音を立てる。
雅之はにこりと相好を崩す。
「何、これ」
「龍、説明して?」
極度の緊張が去って突然睡魔に襲われたのか、甘えた声でそういうと、ためらいもなく毬は龍星の膝に頭を載せた。
龍星が毬の頭を撫でながら、風鐸について一通りの説明をすませた頃には、毬は眠りに落ちていた。
「雅之、これを軒先にかけてくれないか?」
雅之は嫌な顔一つせず、風鐸を示された場所へかける。
それは、時折気まぐれに吹く夏の夜風を捉まえて、カランカランと涼をもたらせた。
途端に何かが霧散したかのように、空気が和らぐ。
「そこまでの覚悟があるなら、もう少し待ってくれる?
頼むから俺を苛めないで」
すうと、龍星が手を伸ばす。毬は慣れた黒猫の如く自然とその傍に寄った。細い指が頬を撫でる。毬は甘えたように頬をその胸にすりつける。頭を龍星は愛しそうに撫でた。
どうやら喧嘩は終了したようだ。
雅之は視線をどこに持っていって良いか決めかねて、酒をあおぐ。
毬も、ふわりと笑うと席に戻り中断していた食事を再開した。
「雅之、見て!」
食事終了後、思い出したように毬は懐から風鐸を取り出した。
カランカランとそれは涼やかな音を立てる。
雅之はにこりと相好を崩す。
「何、これ」
「龍、説明して?」
極度の緊張が去って突然睡魔に襲われたのか、甘えた声でそういうと、ためらいもなく毬は龍星の膝に頭を載せた。
龍星が毬の頭を撫でながら、風鐸について一通りの説明をすませた頃には、毬は眠りに落ちていた。
「雅之、これを軒先にかけてくれないか?」
雅之は嫌な顔一つせず、風鐸を示された場所へかける。
それは、時折気まぐれに吹く夏の夜風を捉まえて、カランカランと涼をもたらせた。