砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
――結論が出るとは思えない会話がとうとうと続く龍星邸を離れ、舞台は御所にある牢へと戻る。
龍星はまるで重力を感じさせない軽やかな足取りで、牢へと向かう。足音も、気配すら消して。
「いい加減、教えてくれませんか?」
響いた声は、焦燥感に満ちていた。
「解放してくれるなら応じるが」
下卑た笑いを含んだ、ダミ声が続く。
……やはり、そうか。
予想通りとはいえ、龍星は目の前が暗くなる思いがした。
「そ、それはいくらなんでも無理ですよ」
焦燥感を帯びた声は悲痛の色を添える。
「じゃあ、ワシも無理だな」
しわがれた声は、このやり取りを愉しんでいた。
しばらく、そんな押し問答が続き、結論の出ぬままに終わる。
龍星はそっと引き返す。
そして、しばらくして疲れた顔で牢から出てきた賀茂光吉に、いつもの笑顔で声をかけた。
「道剣の取り調べは、全て終わったとお聞きしたのですが、まだ何かありましたか」
一瞬、賀茂の顔に焦りの色が浮かんだが、すぐに平常心を取り戻し、返した。
「ええ。
あれだけの大物ですから。さらに、私に何か聞き出せることはないかと思いまして」
龍星はまるで重力を感じさせない軽やかな足取りで、牢へと向かう。足音も、気配すら消して。
「いい加減、教えてくれませんか?」
響いた声は、焦燥感に満ちていた。
「解放してくれるなら応じるが」
下卑た笑いを含んだ、ダミ声が続く。
……やはり、そうか。
予想通りとはいえ、龍星は目の前が暗くなる思いがした。
「そ、それはいくらなんでも無理ですよ」
焦燥感を帯びた声は悲痛の色を添える。
「じゃあ、ワシも無理だな」
しわがれた声は、このやり取りを愉しんでいた。
しばらく、そんな押し問答が続き、結論の出ぬままに終わる。
龍星はそっと引き返す。
そして、しばらくして疲れた顔で牢から出てきた賀茂光吉に、いつもの笑顔で声をかけた。
「道剣の取り調べは、全て終わったとお聞きしたのですが、まだ何かありましたか」
一瞬、賀茂の顔に焦りの色が浮かんだが、すぐに平常心を取り戻し、返した。
「ええ。
あれだけの大物ですから。さらに、私に何か聞き出せることはないかと思いまして」