砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
千の計画は、実にうまくいった。
左大臣も、帝からの直々の要請とあれば断るわけにもいかなかった。行家の噂も早くもみ消したかったし、それに、この機に乗じて、何かと問題の多かった娘を手放せるのは、喜ばしいことでもあった。
帝も、自分から婚姻の件を左大臣に提案した手前もあり、毬の婚姻を邪魔しようとすることはなかった。
喪が明けた唯亮がその噂を知ったころにはもう、二人のところあらわしは滞りなくすまされた後だった。
通例に従えば、毬は左大臣家に戻り、龍星は通い婚、となるところではあったが、そうはいっても、あの龍星に家に通わせることに抵抗があった左大臣は、結局今まで通り、毬を龍星の屋敷へと住まわせることを申し出て、二人ともそれを受け入れた。
雅之も、二人の婚姻を心から喜んでくれた。
以前よりは回数が減ったものの、たまには龍星の屋敷に足を運び、毬に笛を教えたり、龍星と酒を酌み交わしたり、といった交流を続けている。
こうして、当世としては類稀にじゃじゃ馬であった見目麗しい姫と、都一腕の立つ陰陽師とは無事に結ばれ、二人は末永く幸せに暮らしたのでした。
左大臣も、帝からの直々の要請とあれば断るわけにもいかなかった。行家の噂も早くもみ消したかったし、それに、この機に乗じて、何かと問題の多かった娘を手放せるのは、喜ばしいことでもあった。
帝も、自分から婚姻の件を左大臣に提案した手前もあり、毬の婚姻を邪魔しようとすることはなかった。
喪が明けた唯亮がその噂を知ったころにはもう、二人のところあらわしは滞りなくすまされた後だった。
通例に従えば、毬は左大臣家に戻り、龍星は通い婚、となるところではあったが、そうはいっても、あの龍星に家に通わせることに抵抗があった左大臣は、結局今まで通り、毬を龍星の屋敷へと住まわせることを申し出て、二人ともそれを受け入れた。
雅之も、二人の婚姻を心から喜んでくれた。
以前よりは回数が減ったものの、たまには龍星の屋敷に足を運び、毬に笛を教えたり、龍星と酒を酌み交わしたり、といった交流を続けている。
こうして、当世としては類稀にじゃじゃ馬であった見目麗しい姫と、都一腕の立つ陰陽師とは無事に結ばれ、二人は末永く幸せに暮らしたのでした。