砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
二の一
時は瞬く間に、五日、十日と流れていった。
そんな、ある日のこと。
ふぅ、と、毬がその幼さに似合わない重いため息をつく。
雅之がそれに気付いて数え始めてからでも、もう、10回は越えていた。
「悩み事でも?」
柔らかい新緑の風が吹く東河の河川敷に寝そべって、だだ広い空を見上げていた雅之が問うと、毬は頭を横に振る。
「別にっ」
そういって頬を膨らませる毬の瞳は、河川敷を駆け回る少年たちを映していた。
後三年もすれば都中の殿方の人気を独り占め出来るような美人な要素を兼ね備えてはいたが、今はまだ、あどけなさの方が強い。
あの事件の後もずっと、龍星の屋敷で暮らし続けている。
今日の様に龍星不在の折には雅之が毬の面倒を見ることもしばしばあった。
雅之は身体を起こし、砂を払った。
人目を引くような精悍な顔に、困惑した表情を浮かべている。
そんな、ある日のこと。
ふぅ、と、毬がその幼さに似合わない重いため息をつく。
雅之がそれに気付いて数え始めてからでも、もう、10回は越えていた。
「悩み事でも?」
柔らかい新緑の風が吹く東河の河川敷に寝そべって、だだ広い空を見上げていた雅之が問うと、毬は頭を横に振る。
「別にっ」
そういって頬を膨らませる毬の瞳は、河川敷を駆け回る少年たちを映していた。
後三年もすれば都中の殿方の人気を独り占め出来るような美人な要素を兼ね備えてはいたが、今はまだ、あどけなさの方が強い。
あの事件の後もずっと、龍星の屋敷で暮らし続けている。
今日の様に龍星不在の折には雅之が毬の面倒を見ることもしばしばあった。
雅之は身体を起こし、砂を払った。
人目を引くような精悍な顔に、困惑した表情を浮かべている。