My Story
プロローグ
AM6:00にセットしてた携帯のアラームが、
小さなこの部屋に鳴り響く。
白で統一された部屋の小さな窓からは、
小鳥の鳴く声と共に入り込む日の光。
ユウキ
「…おはよう、勇姫」
長い睫毛を伏せ、その手を合わせる彼女。
彼女の視線の先には、小さな写真。
1つのカメラに笑いかけるまだ幼さが残る少女2人。
まるでそこだけ時間が止まっていたかの様に、笑い合っていた。
マユ
『…真優、大好きっ』
『…勇姫、大好きっ』
携帯につけたストラップが、寂しげに揺れ、
日の光を浴び7色に光り輝き、幼い頃の記憶を呼び起こす。
―――10年、か……
小さな部屋に言葉を残し、彼女は出て行った。