大切な人に想いを伝える魔法の言葉

【 なんにもないという特別 】




記念日でもない平凡な一日。

いつもの部屋に二人で

ソファーに並んでテレビを見ながら、

コーヒーとクッキーを食べている。


ドラマティックなわけでもない、

生活感たっぷりのふたりの時間。




他人に覗かれていたとしても

ごくごく平凡で面白みのない時間、

当人である僕からみても

日常すぎる日常のひととき。


そんな誰も気に留めないような

リラックスしすぎてしまった瞬間に

彼女が突然ポロリとこぼしました。





「しあわせだね」





あまりに唐突だったこともあって

気の利いた答えが浮かばなかった僕は

「別に今なにもしてなくない?」

と返すのが精いっぱいでした。
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