大切な人に想いを伝える魔法の言葉





遠距離恋愛の二人のお話です。

二人は週末にかならずといっていいほど

お互いの家を行き来して過ごしていました。

今週末はカレが仕事を終えたあとに、

彼女の部屋に行く約束をしていました。

ところが急に入ってしまった

仕事のトラブルの処理に負われて

金曜の夜だけじゃなく週末まるごと、

彼女に会いにいけなくなってしまったのです。


金曜の夜のずいぶん遅い時間に

ようやくケータイをチェックする時間ができたカレは

心配した彼女から何度も着信やメールが入っていることに気づき

急いで彼女に電話をかけました。



「ごめんね、電話ずっと出られなくて。

 じつは急な仕事が入っちゃったから

 今日はそっちに行けそうにないんだ」


事情を説明すると彼女は

「約束してたのに、

 なんで仕事になっちゃうの?」



と悲しそうな彼女の声に

とても申し訳なくて、そして自分が情けなくて

彼女にお詫びを入れて事情を説明しました。

「ほんとにごめん。

 約束やぶられたら悲しいよね。

 僕もすごく会いたかったんだけど・・・。

 実は仕事でミスをしてお客さんに迷惑をかけちゃって

 その処理を週末にしなくちゃいけなくなったんだ。」



カレなりに心をこめて彼女に伝えました。

彼女が楽しみにしてくれていたことを思うと

許してもらえないのではないかという怖さや

会いたいキモチが伝わってないんじゃないかと

不安を感じたりもしていたのです。


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