ミックス・コーヒー
「貴之は、私に似ているから。貴之といると、なんだか自分といるみたいで安心する」


 ………。

 拍子抜けというか、あっけにとられたというか。

 貴之の口元が自然とゆるむ。

「全然似てないだろ、オレ達は。びっくりした」

 貴之は笑い飛ばしたのだが、そのせいか今度は美葉が渋い表情になったので、少し考え直してみることにした。

「……容姿的に、か?」

「んー」
 尚も、納得のいかない様子で美葉が唸る。

「私からは、これ以上は言いたくない」

「なんだそれ」
 貴之は、背中を反らすアクションをした。

「とにかく、私は貴之が好きで、一緒にいたいの」

「……それだけ聞くと、甘い告白なんだけどなあ」
< 113 / 366 >

この作品をシェア

pagetop