ミックス・コーヒー
<第二章>
ふたり
①
ここ最近は、時々、暑さで汗ばむこともあった。
もうすぐ初夏らしい。
そろそろ今日も、この小さな喫茶店では、従業員達のオヤツの時間を向かえようとしている。
「美葉、コーヒー入ったぞー」
「はいはい」
貴之の呼びかけに答えたのは、なぜか尚樹だった。
まるで田舎のお母ちゃんのように、いそいそと小走りでキッチンからやってくる。
美葉はというと、聞こえてはいたようで、ゆっくりとこちらにやってきてカウンター席に座り、無言でコーヒーをすすり始めた。
見慣れた光景に、貴之は溜息を一つつき、自分もカウンターの前に腰をかけた。
「……そのコースター、アンティークな感じだね」
美葉の視線は、コーヒーポットの下に敷かれたコースターの方にあった。
貴之が「イヤミか! ただ古いだけだろ」とつっこむ。
ここ最近は、時々、暑さで汗ばむこともあった。
もうすぐ初夏らしい。
そろそろ今日も、この小さな喫茶店では、従業員達のオヤツの時間を向かえようとしている。
「美葉、コーヒー入ったぞー」
「はいはい」
貴之の呼びかけに答えたのは、なぜか尚樹だった。
まるで田舎のお母ちゃんのように、いそいそと小走りでキッチンからやってくる。
美葉はというと、聞こえてはいたようで、ゆっくりとこちらにやってきてカウンター席に座り、無言でコーヒーをすすり始めた。
見慣れた光景に、貴之は溜息を一つつき、自分もカウンターの前に腰をかけた。
「……そのコースター、アンティークな感じだね」
美葉の視線は、コーヒーポットの下に敷かれたコースターの方にあった。
貴之が「イヤミか! ただ古いだけだろ」とつっこむ。