ミックス・コーヒー
 ミクリは出来合いのおかずを吟味している。


 ……朝からコンビニ?


 微妙に人のことは言えない尚樹だったが、無意識にそう思ってしまっていた。
 
 視線に気づいたのか、ふと、ミクリが振り返った。
 彼女の表情が変わる。

「あ、おはよう」
 尚樹が笑顔で声をかけると、ミクリは口をあんぐりと開けて、目をぱちくりさせた。

「……んな、尚樹さん!」

「んな?」
 言いながら、尚樹が笑う。

 そして、彼女の手元を見る。サラダだった。
「それ、買うの?」

「あ、はい。朝ご飯の一部にしようと……」 

「ご飯まだなら、うちに食べ来る?」
< 154 / 366 >

この作品をシェア

pagetop