ミックス・コーヒー
 気づいたら、尚樹はミクリにそう言っていた。
 自分で自分に、少しビックリした。

「そんな、やっぱり悪いですよ! あたし、めちゃめちゃ食べるんで……」
 ミクリが慌てだした。

 尚樹は、思わず吹き出す。
「気にするの、そこ?」

 その後の、ミクリのきょとんとした表情が印象的だった。

「おいでよ。いっぱい食べてくれた方が嬉しいから」

「えっ、そうなんですか? じゃあ、行きます!」 

 ミクリの返事と笑顔に、内心少しほっとした尚樹は、早速ミクリと一緒に自分のアパートへと帰ろうとしたが、その時に自分が何をしにコンビニに来たのか思い出した。

 危うく忘れそうになっていた牛乳を何とか買い、再びアパートへと向かった。
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