ミックス・コーヒー
③
「おれは、渡辺尚樹。そしてこいつは伊藤貴之。二人とも21歳。今年22だけど」
二人に会うまで声を発すること自体久しくなかったらしく(カタコトの原因はどうやらそれだったようだ)、たどたどしさは若干残りつつも、徐々に彼女の言葉も増え、改めて自己紹介が始まった。
「ここは、貴之の家で、家の裏は貴之が経営している喫茶店。おれはこの喫茶店でコックとして働いてるんだ。ちなみに今日は定休日」
彼女は、貴之と尚樹の顔を交互に見ながら、尚樹の話を聞いていた。
「君のことも、教えてくれるかな。名前は?」
尚樹が聞くと、彼女は静かに口を開いた。
「19。今年ハタチ」
「なんで、年齢から言った?」
「十代かぁ、若くていいなあ」
貴之が間髪入れずに聞き返す。
尚樹は遠い目をしながら微笑む。
こういう時、貴之は尚樹のことを甘いと思うのだ。
まあ、そもそも天性のツッコミ体質の貴之と、天然のボケ体質の尚樹とでは、感性が違うのだからこういうことはしょっちゅうなのだが。
「おれは、渡辺尚樹。そしてこいつは伊藤貴之。二人とも21歳。今年22だけど」
二人に会うまで声を発すること自体久しくなかったらしく(カタコトの原因はどうやらそれだったようだ)、たどたどしさは若干残りつつも、徐々に彼女の言葉も増え、改めて自己紹介が始まった。
「ここは、貴之の家で、家の裏は貴之が経営している喫茶店。おれはこの喫茶店でコックとして働いてるんだ。ちなみに今日は定休日」
彼女は、貴之と尚樹の顔を交互に見ながら、尚樹の話を聞いていた。
「君のことも、教えてくれるかな。名前は?」
尚樹が聞くと、彼女は静かに口を開いた。
「19。今年ハタチ」
「なんで、年齢から言った?」
「十代かぁ、若くていいなあ」
貴之が間髪入れずに聞き返す。
尚樹は遠い目をしながら微笑む。
こういう時、貴之は尚樹のことを甘いと思うのだ。
まあ、そもそも天性のツッコミ体質の貴之と、天然のボケ体質の尚樹とでは、感性が違うのだからこういうことはしょっちゅうなのだが。