ミックス・コーヒー
 ニコニコしている尚樹を尻目に、横に首を落として小さな声で「さては、さりげなく若さを強調したな」と、貴之。
 気を取り直して続ける。

「オレ達と二個しか変わらないだろ。それで、名前は?」

「……古亭路美葉(こていじみわ)」

「古亭路?」
 貴之が復唱する。

 尚樹は言う。
「珍しい苗字だよな」

「いや、というか……」

 貴之は声を上げた。

「伝説のリアクション女芸人<古亭路美鈴>!」

「ああ、あの伝説の。そういや同じ苗字だな」

「でも、今は関係ないか」
 と、言い、貴之は美葉の方を見た。

 彼女は俯いている。
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