ミックス・コーヒー
「貴之、どう思う?」
「オレは……違うと思う」
「よし子さんの話を聞いたからか?」
「それもあるけど、一ヶ月位前に電話かかってきた時……ちょうど、美葉のオヤジが亡くなった日の夜だったけど、すげー明るくて普通だったからさ。その前の日から古亭路家を追い出されてたって本人は言ってたから、たぶんその時はまだ事件のことすら知らなかったんじゃねえかな」
「うーん。そっかあ」
尚樹が大きく溜息をつく。
「エリカさん、早く見つかればいいな」
「……うん、そうだな」
この時の貴之の言葉は、確かに本心だった。
その二日後。
隣の県の山中で、菅浦エリカの遺体が発見された。
「オレは……違うと思う」
「よし子さんの話を聞いたからか?」
「それもあるけど、一ヶ月位前に電話かかってきた時……ちょうど、美葉のオヤジが亡くなった日の夜だったけど、すげー明るくて普通だったからさ。その前の日から古亭路家を追い出されてたって本人は言ってたから、たぶんその時はまだ事件のことすら知らなかったんじゃねえかな」
「うーん。そっかあ」
尚樹が大きく溜息をつく。
「エリカさん、早く見つかればいいな」
「……うん、そうだな」
この時の貴之の言葉は、確かに本心だった。
その二日後。
隣の県の山中で、菅浦エリカの遺体が発見された。