ミックス・コーヒー
 その夜のキスは、いつもよりももっと甘い気がした。

 直接触れるミクリの肌は、服越しとは比べ物にならないくらい温かかった。

 この人を、この温かさを守るためならなんだってする……と、本気で思った。

 尚樹は、自分の体と心から溢れ出すたくさんのものを、言葉で表し続けた。



 大好きだよ。
 
 大好き。



 ミクリはそれに、笑顔と涙で応えた。



 これ以上ないくらいに、幸せな夜だった。
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