ミックス・コーヒー
「……尚くんってさ、そういうの普通にできちゃうんだね」
 ミクリの頬は紅く染まっている。

「そういうの?」

「ねえ。尚くんって実は、モテるでしょ?」
 ちょっぴりマジな目のミクリ。

 尚樹は、笑い飛ばす。
「なんで。おれなんかより、ミクリの方が全然モテるだろ」

「あたしのことはいいから。今まで何人の人と付き合った?」

 ミクリに一喝され、尚樹は素直に答える。 
「えーと、高校の時に二人……」

「二人?」

「はい、そうです」
 なんとなく、尚樹が背筋を正す。

 ミクリの誘導尋問はまだ続く。
「……じゃあ、何人に告白された?」

「えー、忘れたよ」

「だいたいでいいから」
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