ミックス・コーヒー
「大丈夫だよ、美葉。あいつが……ミクリが死ぬわけない」

 
 大丈夫、と、尚樹がもう一度呟く。


「おれ達の前から、いなくなっちゃうわけがないんだ。今、必死で生きようって、がんばっているはずだよ」

 尚樹の力無い笑みを、美葉は無表情で見ていた。



「……笑わないで」



 美葉の言葉に、尚樹の瞳が大きくなる。


「尚樹、笑わないで。私のために、無理に、笑ったりしないで」


 尚樹の表情は、凍りついた。
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